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【第2章】バーテンダーの道へ

目次

5)船井電機を退社した

おいらがバーテンダーの道を選んだのは19才の時だった~専門学校を卒業して『当時・大阪生野区に船井電機はあった』入社すると海外ブランド名(OEM)でトランジスターラジオ製造していた~ベルトコンベアーの流れ作業で動作検査を任された~仕事は嫌いではなく仲間もいて楽しかったが~一年半を過ぎて会社の天井を仰ぎ見た~

ひょっとするとこの屋根の下で一生暮らすのだろうか~と・疑問を感じてきた~人と交える仕事をやりたい~

と言うのは少年時代に義父に育てられ<いつも怒鳴られてばかり>一度として教えを説くような言葉を貰ったことが無い父親世代の大人の話を聞いてみたい>どうやらこのことに飢えていたのか~それが根底にあったようだ~

♪ バーテンダーをやってみよう🙂そうすれば大人の話が聞けるはずだ~

大阪駅前阪急東通り商店街

飲食店がひしめく繫華街だ~人通りは途切れることなくいつも賑わいを見せている~ここなら働く場所もあるはずだ~募集の張り紙を探し歩くと・あった見習いバーテンダー募集!結構大きな店舗だな~と思いつつ~足を踏み入れた~

阪急東通り商店街

🐵面接に来ました

洋酒喫茶こだま:初老のマネージャーだった~全寮制で食事は2回~入店三ヶ月はウエイター経験する~この期間に勉強をし~カウンター試験に受かればシェーカーを振ることが出来る~とのこと~

♪ 初出勤だ~店内は丸いカウンターが三つとロングカウンターが二つで全席で100席ほどある~バーテンダー16名・ウエイター3名がいた~

ウエイターの三ヶ月間は勉強ができる<カクテル本とにらめっこの日々が続いた>店に行けば連日盛況~大好きなプレスリー<It’S Now or Neber>がジュークボックスから鳴り響く~胸躍りワクワクとしてきた~

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色々と教わった~カウンターマナーは<両手を腰から下と:肩から上はダメ>顔や髪を触るはご法度~カウンターに肘はつけない・両手をつけない・酒の名前・原料・製造工程・アルコール度数・エキス分・産地・グラスの名前に容量~etc~

♪ 技術面は空のボトル瓶に水を入れ<ひとひねり15ccをグラスに注ぐ~ふたひねりで30cc>指先で酒の分量を知ってこそカクテルは作れる~カクテルグラスは60ccなのでシェーカーに配分量を注ぎ入れ~中の8の字になる様にシェーカーを振る

カクテルグラスに注いだ分量は少なすぎてはダメ~多過ぎてもダメ~ピッタリでないと技術不足になるカクテル30種類以上は記憶する・グラスの洗い方は口元を洗う~ボトルやグラスは毎日セルメットで乾拭きをする~カウンターも椅子も丁寧に拭いておく・いつでもお客様を迎えられるように~

おまけにアサヒビールとサントリーへの工場見学まであった~完璧だ~

 ♪ やがて三月が経過しカウンター試験も無事終了~半人前のバーテンダーになったが~どうしても覚えなければいけないことがある~洋酒の味だ~味を知らなければお客さんに自信をもって出せない~方法はひとつしかない~

盗み飲み!<実行することにした>毎日少しづつ~そしてぜ~んぶ飲んでしっかりと味を憶えた~ミックスすればどんな味になるのか試飲もした~これでカクテルを作れる~

確かに盗み飲みをしたが~後に考えてみると・暗黙の了解だったような<イイ店だ~>

当時高級ウイスキーはジョニー黒だった<飲み比べるとオールドパー旨く感じた>20年後にはオールドパーの方が高価格になっている~やっぱし~味覚は正しい~

こんなこともあった~ウエイター二ヶ月目にカップルのお客さんを会話のしやすい席へ案内してると~すれ違った後輩ウエイターが~突然にこちらへと~別の席座らせた~戻った時にこの事を注意をすると

😠こっちに来いと言われた~

地下の機械室へ行くと~いきなり殴りかかってきたので応戦した~すると~強い~と言って逃げだした~そのまま居なくなってる<怒る程でもなく・辞める事でもないだろうに>社会に出ればこんな事の一つや二つはあるようだ~

マネージャーが言った

君たちはスターだ<お客さんとデートする時はこの地域内はダメ>地域外で逢いなさい~お客さんは君たちが仕事をやっている姿に魅力を感じるのだと~この時にはピンとこなかったが~やがてそのことに気付く時が❤️来た☺️

そんなこんなんで仕事も慣れて10ヶ月過ぎた頃には一人前になっていた若きは覚えるのが早い!確かによく勉強もした《沢山の人達と会話が出来た》寮に置いてあるバーベルもベンチプレスで95Kgまで上がるようになった~

♪ その頃~おいらには仲間がいた

同郷の同級生、次郎ちゃんと五郎ちゃん~フナイ電気を辞めた時に英ちゃんと哲チャンもなぜかついて来た~ある日に次郎ちゃんが話しを持ちかけてきた~

旅をしないか~東京~札幌を各半年で一年間

♪ これは今でしか出来ない!よーし~行ってみようか~英ちゃんが付き合ってくれて三人になった<片道切符しかない東京なら仕事はあるだろう何とかなるさ~

何しろ花の東京だもんな~東京のバーテンダーの腕も見てみたい~出発だ~

6)ここは新宿歌舞伎町

♪ 駅のホームからアナウンスが聞こえてきた~新宿新宿~着いたぞ~

さあ~降りようを出て街を眺める<心躍る気分だ>の文句で知った新宿だ~

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この街で新しい発見と出会いがあるんだろうな~そんなことを考えながら~三人で第一歩を踏み出した~早速働き場所を探さなきゃ~おまんまが食えないぞ<歌舞伎町全域を歩き回り募集の張り紙を探しまくる>一件、二件、三件とあっが~新宿で一番大きな店で働きたい~残念~そこは募集をやっていなかった・しょうがない~じゃここにしよう~

西武新宿駅前五階建てビル

地下1・2階の店舗 ”NIKKA BAR” 西武”とあった、表の看板にはハイボール¥80~と超安洋酒喫茶だ<面接をしてもらおう>履歴書にはバーテンダー経験2年半にしておいた~

経験は多い方が給料は高いだろうと、しかし入店時はみんな定給だった即決だ~次郎ちゃんも面接時間をずらしてウエイター入店した~

寮あり一食付き店内は地下1階に楕円形カウンターとロングカウンターが5つ地下二階は3つのカウンターと厨房~従業員はマネージャーを含めて19名ほど~英ちゃんは近くのBAR入店できた~

仕事をやりだして首都と地方の差感じた~お客さんとの会話語学力&社会常識レベル差を感じた日々新聞を読むことは最低限のこと~知識必要なんだ~勉強をしなきゃ~

ふた月を過ぎたころに小さなカウンター7人席一人で任された~開店間もなく一人の女性座ってくれた~するとその後も女性客が続き7席が女性客で埋まった、他のカウンターは一人もお客は座っていない~この時カクテル注文がダブったので~シェーカー二つ両手に持ち~同時に振って作った~

すると先輩バーテンダーの目線が一斉こっちに向いた、二つのシェーカーを同時に振ってカクテルを作るのを見たことがなかったのだろう~そんなこともあってか入店時から毎月給料は上がった<これが東京なんだと感じた>

一か所に女性客が集中したのは、これは単なる女性心理にしかない~先輩はモテたと思っただろうが違うんだな~誰かが座っていると安心感を感じる・何かあるのかな~と、好奇心に惹かれただけのこと・ただそんだけ~

職場で大阪と東京の違いを感じたのは上下関係だった~ここでは先輩面をするような人がいない~全国から集まってる・仲間意識が高く協調性と実力主義を重んじて紳士的で働きやすい。

芸能界身近に感じた:新栄プロダクションの課長が来店~ウチにおいで名刺を貰った(スカウトなんだ)又先輩から日活映画知り合いがいるから何時でも紹介すると言う、新人なのに同等に扱ってくれる~大阪ではこんなことはなかった・優しさがある~

一つだけ困ったな~があった

初月給の日、寮に帰ると声をかけられた~みんなでおいちょかぶ(賭博)をやるんだ<これは恒例だと言う>流れに逆らわぬ主義なので仕方なく次郎ちゃんと一緒に付き合った、初めてだったルールは簡単に近い数字が勝つ~古今東西ギャンブルのルール子供でも覚えられる~

こりゃー負けると大変だ~ひと月分の給料を失うことになる<何が何でも負ける訳にはいかないと・何度も肝に念じた>どうすれば良いのか~下に並べられた数値以外<残り札の中にある>一枚でも多く残ってる数字を計算することと<感>頼りか~

方針は決まった、これが夜明けまで続く~一月分の給料を負ける者もいたが・とりあえずは負けずにホッとした<少額を手にしたが嬉しくはない>その後も毎月あったが4ヶ月止まった~

<理由は、やる度においらの一人勝ちになった>他の誰も勝てなくなっていた~貸し金は貰わなかった・ひと月頑張った給料だ~貰う訳にはいかない!この時に~ひょっとすると博才があるのかなと感じた~

東京のバーテンダー

首都に来たので腕のいいバーテンダーをみたいと休みの日に新宿で一番大きな店に行ってみた~何人かの手ほどきを拝見したが・これと言って学べるモノはなかった《梅田の洋酒喫茶”こだま”の方がレベルが高かった》

雑誌ホテルのバーテンダー一流だと記していたので新宿有名ホテルにも行ってみた、な~んだ<日々こなす数が少ない>ホテルBARは来客数が少ない~違い客層位かな~

そうこうしているうちに半年が近づいた、月日の過ぎるのは早いものだ<次は札幌だ~>良かった・良かった~みんな優しい~銀座も行った・東京タワーも登った・山手線も一周した・楽しかった!

7)札幌だ~すすきのだ~

上野駅➡札幌駅はさすがに遠い

急行列車:上野発 ➡ 青森着(13時間)青函連絡船(約5時間)函館➡札幌(約6時間~25時間

青函連絡船

子供の頃に『北海道』<地の果て>と聞いていた、九州出身がそんなところへ行けるなんて<夢の又夢だ~>

今と違って人々はのんびりとしてたのだろうか<旅は道連れ世は情け>列車内の会話も多かった~この言葉は・もはや死語なったようだ~駅弁が 又 美味い~

札幌に着いた~

駅前に路面電車が走っている、それに沿って歩けば繫華街へ行けるかも・街が碁盤のように区画されている~なん条なん町目と順番通りになっている~開拓地なんだ~三人でキョロキョロと物見しながら歩くと目につくのがラーメン屋だ~入ってみようか~食べると太麺に具沢山でこりゃ~美味いわ~今迄一番だ~

しょうがない~とりあえず面接を受けると布団は自前で持ち込みだと云う~他にもを探すがない~周辺を歩き廻って一日目は終り寝る所が無い野宿だ~建築中の家があったので材木の下で寝た~二日目からは別々に探しに行こうか~

洋酒喫茶グランドスター

繁華街<すすきの>ビルの壁に張り紙が一枚『バーテンダー募集:洋酒喫茶グランドスター』あった!最上階の7階だった、ドアーを開けて面接を受けた・寮付きだ~今日から働けると安堵した、次郎ちゃんは焼き肉店に英ちゃんはクラブに決まった・これから始まりだ~さあ~頑張ろう~

店に入ると結構広い100席は有りそうだ~ロングカウンターの目前ステージがある~楽器が置いてあった~カウンターの中に入った・仕事だ~

開店する1時間程満席になった~バンドのメンバーがステージに<演奏が始まったギュウーン~ドラドラ・バンバンギタードラム全体に反響して鳴り響くボーカルが歌い始めた鳥肌が立った驚いた~ワクワク・ドンドンだ~

凄いぞこの店、大阪にも新宿にもなかった~お客さんが踊りだした~我を忘れてくぎ付けだ~ボーカル叫びながらふるさとは宗谷の果てに』を歌った・上手い耳にこびりついた~

米軍兵士と腕相撲

胸躍る日々が続き~仕事も慣れてもきた~とある土曜日に千歳基地から米軍兵士が団体で遊びに来た、ワイワイと賑やかに飲んで踊って楽しんでる・目の前の一人が声をかけてきた<腕相撲をやろう>OK~(手の平を合わせてやる:アメリカ流だった

意気揚々とやってきた25歳位178cm76kgくらい~左利きだからと手の平を組んで・Go~両者全く互角、右・左に少し傾くが数分経っても双方譲らず<引き分けた今度は両手の指を絡ませて持ち上げるやつをやろうと云ってきた

OK~カウンターの外に出て<両手指を絡ませ・いちにのさん>持ち上げようと全力を込めるが上がらないよ~しもう一度と力を込めるが上がらない~相手も同じく必死になってリキんでるが上がらない~周りには30人ほどが集まり観ていたが~誰かが言った~引き分けだ~

この頃~171Cm53Kg<こんなにやせぽっち>米兵互角だった<ジャパニーズボーイは手強い>寮のバーベル上げが効果あったのかな~子供の頃から力仕事を手伝ってた訳だし~少しは力量があったのかも~

トイレ掃除

ある日:閉店後にトイレに行くと掃除中のウエイター3名がざわついてる<うわー汚いどうしょう>何気なく振り向くと洗面台<お客さんがゲロしたモノが溜まっている>なるほどそういうことか~

ウエイターにビニール袋を持って来てと告げ~この日クリーニングした真っ白いカッターシャツの両袖を捲り上げ素手でゲロしたものを何度つかみ上げては~ビニール袋に入れた~そしてウエイターに言った~

突然、店を首になった

三ヶ月が過ぎた頃に事務所に呼ばれた<この紙に名前を書いて>とマネージャーに言われ~書き終えると一枚会計伝票を取り出し~このサインと同じだな~と言ったが・似てはいるが 違う~

おいらのサインは一か所に特徴付けをしていた~そこを指摘したが~マネージャーは決めつけていたようで聞き入れてはくれない<誰かがサインを真似て不正をやったようだ>カウンター内には5名いる~消去法でいけば・千葉先輩だな~すぐに解ったが・しょうがない~

振り出しに戻った:仕事を探さなきゃ~住むところは後輩の信ちゃんがアパートを借りていたので~シェアすることになった~有難い・感謝!

小さなクラブで働いた

ウエイターで入店した<ママとホステス5人>とチーフ~この店一品は毎日<手作りのポテトフライ>一個を8カット位に~面取りして揚げた立てを出す~地元だけに流石に美味だ~未だにそれ以上のポテトフライは食ったことがない・チーフの自信作なんだろう。

入店してふと月した頃に従業員の慰安洞爺湖に連れて行ってもらったが<こんな小さなクラブで大丈夫かな~と心配した~>お客さんもあまり入っていないようだけど~客単価が違うのかな~セット料金はいくらなんだろう~と余計なことを考えてしまった・札幌の人は優しいんだな~

札幌大通り公園

日曜日だ~天気も良い~その頃の札幌は真夏でも気温は24度前後で清々しい春のようだった~信ちゃんと大通り公園に出かけた~目に留まったのは真っ白のスーツ姿の女の子<ひと際目立っている>のだが、時間を持て余しているように感じた~

ヨシ!信ちゃんに自信を持たせてあげよう~あのな~信ちゃんあの娘に~こんにちわ~何処から来たの~疲れたでしょう~俺んちすぐ近くなんだ~休んでゆきなよ~と~言えばイイから~それだけで大丈夫~と伝えると<え~ほんとかい>さあ~行っといで~その後に二人で歩く姿を見届けて~おいらは映画を見に行った~

映画を見終わって帰りにラーメンを食べたが~初めて食べた時よりも美味く感じるようになっている~いつの間にか身体も気候風土に馴染んだようで・食べるごとに美味い~博多ラーメンよりもこっちの方が好きになっていた!

部屋に帰ると信ちゃんは上機嫌だ~<自信を持ったようだ>

札幌観光はツイていた

グランドスターで声をかけてくれた一歳下の彼女は観光バスガイドだった<私がガイド担当の時はお金は要らないよ~と定山渓温泉・支笏湖・小樽・藻岩山とかを案内してもらった~

定山渓温泉の沿道の木にツキノワ熊の子供が首輪で繋がれて居た<今では考えられない>

札幌の生活感じたことがある~博多・大阪・京都・東京よりも男女間交際が開放的なのだ~素直にストレートだ~おいらなりに出した答えは~寒い時節が長く室内で過ごす時間が多い~では~

そして半年~去る時が来た~信ちゃんが大阪に連れてって~じゃ~一緒に行こう

<良いところだった札幌は~多いに楽しんだべ~>

大阪に戻ってきた

五郎ちゃんは北区太融寺に引っ越していたので又居候させてもらった、阪神百貨店が近いので屋上遊園地に遊びに行き~空を眺めて東京&札幌を思い出すと~何となく日本全国を知ったような 気がして 小さな征服感を感じた”若いうちに旅をしろ”とはこのコトなんだと・やはり自信になったようだ・

この日阪急東通商店街ぶらついていた<何しろ人を見ていると・飽きないのだ>いつもの様富国生命ビル立っていると~

占い師のおじさんがテーブルを置いて開業を始めた、毎日会うので顔見知りになり~おじさんが手相を見て上げようと~無料で見てもらった家庭運が薄い・剣難の相があるとか色々と言われたが晩年振り返るとみんな当たっていた~占いは古来より永遠に続いているが~こういう事なのか~

8)クラブで百万円を使うお客さん

次は何処で働こうか?ここから10分も歩けば高級クラブ北新地がある~どんなところか行って見ようと昼過ぎに散策に行く~縦長の長い通りが数本あって多種多様な飲食店・花屋・スナックビルが軒を連ねている~

業者が酒を運ぶ姿がチラホラと<昼間は人通りもなく閑散としてた>これが夜になると一変するのだろうか~と・思いながら募集の張り紙探しておこう~通りに面した建物の一階に募集が出ていた『クラブむらさき』

夜の8時過ぎにも行ってみた~昼間とは一変~ネオン輝き・通りには色とりどりの看板が立ち並んでいたが~あれ思ったほどに人通りが少ない・全然少ない・お酒の入った人達がチラホラと数えるほどしか見当たらない<賑わいがないのは~なぜなんだろう>

一歩一歩と歩みながら考慮すると答えは出た~そうか~夕刻に勤務を終えて・それぞれ腹ごしらえを済ませて~お目当てのクラブやスナック・バー・ラウンジへと入店する~この時間帯は店内でご機嫌の真っ最中なんだ~なるほど~そういうことなのか~

北新地”クラブむらさき”

翌日の16時に面接に行った~クラブの扉を開けると毅然とした感じのマネージャーがいた~仕事はボーイ・勤務時間は15時~23時・日曜定休・月給1万8千円~規則はホステスとは付き合ってはならない・テーブルに呼ばれた時は片膝をつく・モノを置くときは音を立てない・客席を監視するように見てはいけない~等の注意事項を聴いた~

ここはホステスが主役の場だ~ボーイは目立たぬように空気のような存在でいい~忍者のごとくスーと動くように心がけよう~と自分に言い聞かせた~

縦長の店内は8人座りのソファーボックスが縦型に並んで6つ~スタッフはママとホステス12名・男性はマネージャーカウンターチーフセコンドとおいらの4人お客様が来店すれば~ご本人のボトル・グラス類・アイスペール・チャーム(スナック菓子)アラカルト(手作りの一品)セットテーブルに運ぶ~

30分ほどでチーフお手製のオードブル~2時間半ほど経過すればフルーツを運ぶ(そろそろお時間ですよのサイン)セット料金¥8000~+ボトル料金+追加飲食+指名料+サービス料になる(当時大卒初任給1.9万円)

一番の上客がご来店~

入店して10日目だった~ホステスが色めき立ち・表情が変わった・先生~先生とハシャギ持ち上げる~お世辞三昧でも優越感を与えれば次も来てくれる~テーブル席ではキャッキャッと賑やかの声が聞こえる~この先生は月に1~2度来店<決まって百万円を置いて行く>ホステス全員の指名料を払っても飲食代金は百万円にはならない

飲食代金余り男性従業員のチップにもなるという<本給よりもチップの方が多かったのは嬉しい誤算だった>この先生は著名作家だった~その後に当クラブのママをモデルに描いた小説がヒットした~流石だな~生きたお金の使い方をしてたんだ~

4ヶ月が過ぎてチーフに呼ばれた~ホステスのOOさんが日曜日映画と食事をおごってくれるそうだ~どうする~<お断りすることにした>高嶺の花でも一度があれば二度がある<入店時ホステスと付き合ってはならないと聞いている

大企業の課長さんにおごって貰った

ある日ご来客の一人から名刺を戴いた<日本を代表する大企業・松下電器の課長さんだ20代で若かった~こんな若い人が大企業の課長さんなのか~とよく見ると社名とその人の苗字が同じだ~<まさかそれはないだろうと思ったが>ここは北新地

二度目来客時に声をかけてくれた~閉店後食事をおごってくれると言う・そこはイタリアンの店だった>お腹空いてるだろうと~出された料理はスパゲティの上になんと300gほどのステーキが乗っかてる~えっ~こんなの食べたことがない~そんなこともあったが~その人はやはり社長の息子さんだった~後に社長~会長になられた~

北新地には英ちゃんも他のクラブに勤めていた~4ヶ月を過ぎた頃に英ちゃんが・今日な~うちのマネージャーとおいらの店の前を歩いてる時に・お前~あの男知ってるかと指を差されたんだ~いいえ知りませんと答えると<あの男はな~将来・新地を背負う男になるんや>と言ってたとか・へえ~あ~そうなん~根拠が見当たらない~

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当時接待費経費として認められていたのでお水は景気の良い時代だった~例えば大企業の社長が銀行に・当社接待用のクラブを開店したいので<彼に融資を頼む~と言えば銀行は二つ返事でOKになる>企業ご用達なら2年もあれば返済できる。

女性にクラブをやらせる人と男性にやらせる人の二通りのタイプがいるが~男性にやらせる人は信用度の高い人である~クラブをやるにはホステスを集める能力があるかないかの問題で<後ろ盾があれば簡単にできる業界だった

実家からの呼び出しが来た~

勤めて半年が過ぎ仕事も慣れて順調だった~そんな時に実家から連絡がきた帰って来いだった実家でやっていた銭湯の釜炊きさんが辞めたのでやってくれとのこと・なんで😔どうして~

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