誰しもが一度は思う~もしあの時『こうだったっら、ああだったら』もっと違ってたかもと・・<結果は大して変わりはしない>出会う人・景色・やる事が異なるだけ、しょせん一升桝は一升桝~二升桝にはなれない、与えられた現状をがむしゃらに進めばそれで良い~
73)会社勤めをやってみたが
その頃だった~梅田の第三ビルで高級鍋?の販売業をやっていた加藤さんから連絡が入り~久しぶりに会った~今は天六で仕事をやってる~うちに来ないかと誘われ~それではと勤めることに~
<近商>という社名で社長・専務・常務と経理担当・事務員二人~そしてディスコ時のボーイ長・三上君の7名だった~ところがこの会社は何をやってるのか業務内容が解らない~ビルのワンフロアーを借りているので資金はあるようだ~疑問に感じて社長に何をやってるんですかと・質問をしてみると~
不動産業というが物件も資料も見つからない~なにか輸入業をやりたいとは言っているが具体的な話はなく~曖昧な返事しか返ってこない~それ以上は突っ込めない~
ある日社長に~この書類を東大阪迄届けてくれないかとベンツのキーを渡された~この頃のベンツは頑強な造りで主に暴力団が乗る車という~イメージだった~

それではとベンツのハンドルを握り駐車場から道路に出ると~すぐに気づいた~なんだこりゃ~周りの車がみんなよけている~それも車1台分の空間はある~広い道路に出るとこれまた楽だ~左右の車は遠慮するようにスピードを落とす~前方を走っていたダンプカーまでが避けてくれる~ポルシェも~
これならハンドルさえ握っていれば<真っすぐに走って行ける>驚いた~乗るまでは知らなかった~ベンツは高齢者や障害のある人に乗ってもらう車だ~
それにしても会社ではやることが・なにもない・社長・専務・常務と肩書はあるが外出が多く社内にいない~三上君にそれとなく会社の事を尋ねてみた<するとココの社長は和歌山で詐欺をやっていたらしいですよ>そういえば・いつしか週刊誌でそのような記事を読んだことがある~
そうなのか~それで社名も知名度の高い会社と似た名前なのか~詐欺をする人は類似名を使う~
だが三上君だけは仕事がある~彼は社長の指示でフィリピンへ行ったり来たり~会話はいつもフィリピン女性の名前ばかり~どうやら社長は女性に入れ込んでいるようだ(女性とは縁の薄いタイプだ~)

その後~三上君とフィリッピン・クラブを開業したとか~
この頃に加藤さんと親しい23歳の三浦君を知る・彼はあずき相場(小豆の先物取引)の営業をしていた・子供の頃に親父の知人があずき相場でやれ儲けた・やれ損をしたと騒いでいる光景を想いだした~
じゃ~これもやってみよう~三浦君に投資金を渡し二人でよく飲みにも行った~ふた月が過ぎた頃に彼の様子がおかしいので問いただすと~儲けさせて上げようとの思いで資金を動かしたが・負けてしまったようだ~おまけに知り合いにお金を貸していたが~これまた蒸発して行方不明に~
74)親友の健ちゃんが居なくなった
健ちゃんとはたまに連絡を取り合っていたが<ここ数ヶ月連絡が取れなくなっている>数日後に手紙が来たので読んでみると~貝塚市の精神病院に居るというので慌てて行ってみた~
入口で面会の手続きを終えて・案内してもらう・入口には大きな扉があり・それを開かないと中に入れない・二階の廊下を歩くと学校の教室のように部屋が並んでいる・各10名以上がいた・誰かが来たようだ~と・どの部屋からも患者がバタバタっと走ってきては窓越しから覗き見をしてる~


部屋の外窓は鉄格子で囲っていた<どうやら部屋から外には出れない造りのようだ>面会室で健ちゃんと30分ほど会話を交わしたが~どこかが変だとは感じなかった~
帰りの電車で会話を思い出す<辛いことは薬を飲まされる事だと~>どうやら医薬品業界が新薬開発の際にモルモット後の最終段階に人体実験を行う~この時に利用されているようだ~
これと似たようなことがある~アメリカは新薬の最終テストに刑務所の受刑者が服用するようだ~ファイザー社が開発中の新薬《血圧の降圧剤・バイアグラ》を受刑者に飲ませると<とんでもない結果になった>受刑者の下半身が元気になって困ると言い出したのだ~
これにはファイザー社もビックリ《瓢箪から駒》まさに棚からボタモチだ~バイアグラを精力剤に変更・世界中に販売~莫大な収益源になった~
健ちゃんの入院はショックだ~
健ちゃんは玉造の施設で育った~17才で梅田のバーテンが初仕事に~そこからの付き合いになる<家庭環境に恵まれない子供は:心のゆきどころは友達だ~>健ちゃんも友達を大切にした<似た者同士だった>3才年上の兄がいたが・実の兄よりも・おいらの方がお兄さんのようだと・言っていた~
健ちゃんのファッションセンスは抜群だった
20代後半だった~健ちゃんと千日前の喫茶店で待ち合わせた<その恰好に驚いた>センスの良い伊達メガネとアタッシュケースを持ち~若草色のオーダースーツは一枚物の生地だ~肩の縫い合わせがなく~しわがひとつもないスーツを着こなしている<いつもどこか違っていた>


(二人は供にオーダースーツだったが~彼のセンスには到底及ばない>
彼は23才の時に白色カローラを買い一ヶ月後にボンネットの左・右とトランクをグリーン色で囲んでいた~何とも可愛い新鮮な車になっている<健ちゃんが家庭環境に恵まれていたら>良いデザイナーになっただろうな~と感じていた<いつかは健ちゃんを迎えに行こう>
近商に出勤したのはいいが
社長はフィリピン女性にボケている<奥さんは何も知らずでパート勤めをしている>何とも言葉を失う・・ここは無意味なので辞めよう~長い間~楽なことばかりが続き~飲んで遊んでもつまらないと思えてきた~
この際一度原点に戻って肉体労働をやって頭を冷やしてみようか~元々肉体労働に抵抗はない~子供の頃に力仕事をやって汗を流した後は~気分爽快だった~
みんな捨てて~初心に戻ろう《この時45才》我を忘れた時期だった~
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75)出直しのスタート
1)飯場土方作業員からの続き~
さあ~やり直しだ~手持ち資金は40万円~というのは大阪を出る時・彼女との別れに置いていった~彼女はラウンジを始めて利益も100万円近くあった~これで大丈夫だろう~
この資金で何ができる~
土方の寮に普段は読むことのない~大人向けの雑誌が転がっていた~見ると雑誌の中にアダルトグッズ卸します(雑誌・ロマンポルノビデオ・大人のグッズ等)という広告が幾つかある~これなら小資金でいけそうだ~要はどう売るかの問題だ~

男子寮へカタログを送ろう~購入者には付録のプレゼントをつけて~商品は売れればその都度に買い足せばいいや<市内はチラシを作って配布しよう>
パチンコ店なら男子寮がある~ここをメインに各会社の社員寮にカタログを送った~ローカル地域なら娯楽も少なく退屈してるかも<この時代~パチンコ店は隆盛を極めていた>
市内用のチラシは午前中にあっちこっちへ配布して廻った~マンションの自室を整理して店舗代わりに~まあ~やれば何とかなるさと言いつつ~
チラシを配布すればポツリポツリと電話が入る~場所を教えるとお客さんがマンションへ買いに来てくれた~そうなのか~こんな商品は表通りの店舗でなくても~こんなところの方が雑談もできて常連になったくれるんだ~なるほどね~これ又やってみなけりゃ解んねえもんだべ~

ひと月も過ぎると中州へ飲み歩くようになった~中洲大通りには<飲食店の案内掲示板がある>この中でキャバレーとクラブを除いた全部の店に入ってみよう~いつもの悪い癖が出て二月で全店舗を飲み廻った~これは病気のようだ~
ひと通り飲み歩き小さなスナックに通うことにした<ここはママと二人の女性がいた>19才の女の子はいつもニコニコ無邪気でその表情には癒される~カウンターで飲んでると会話が聞こえてきた~どうやら彼女の誕生日は4日後らしい~


そうなのか~じゃちょっと遊んでみよう~誕生日の前日に花屋さんに行くと<真っ赤な蕾のバラが目についた~一万円分を注文・送り主の名は入れず<誕生日おめでとう~いつも笑顔をありがとう>で頼んだ~
それから4日後に飲みに行くと~又二人の会話が聞こえてきた<あのバラの花は誰が贈ってくれたんだろうね~>それも蕾の花よ~きっとOOさんかもそれともOOさんかしらと~どうやら喜んでくれたようだ~
良かった~誰かを想像した人とでも縁があればそれでいい~つまらぬ事を言って夢を壊せば台無しになる~少しばかりいたずらをしてみた~😁
76)とんでもない体験だった~
この日も~いつもの様に週刊誌を読んでると《今、東京で若い女性に大流行り》これを飲むと気分がぶっ飛ぶようだ~と何やら面白おかしく書いてある~そういえばディスコでウエイターがそんなモノを飲んだことがあると言ってたような~
暇つぶしに試してみようかと通販で買ってみた<酒と一緒に飲むと>よく効くようだと書いてある・じゃ~何処かへ飲みに行って・そこで飲んでみよう~

天神エリアのスナックでビールと一緒に飲んでみたが・これといった反応を感じない~まあこんなもんかなと~もう一錠を追加で飲んで店を出た~
翌朝に起床すると、あれ~外出着のままで寝ていた~部屋が散らかってる・どうしたんだろう・こんなことは一度もない~昨夜は何をしたんだろうか・あ~飲みに行って例の錠剤を飲んで店を出たが・その後の記憶が全くない~
慌てて何か手掛かりはないかとスーツのポケットを探ると身に覚えのない<名刺が一枚出てきた>店名と女性の名前が書いてあるが・初めて見る名刺だ~

夜になって名刺の店に行ってみた《いらしゃいませ~昨日はどうもありがとうございました》と妙に愛想がいい・話を聞けば・これ面白いからと<私も勧められて飲んだの~>伝票を書き間違えたりで何が何だか判らなくて大変だったのよ~
と言葉が返ってきた<いや~それはどうも申し訳ない~ゴメン>と平誤り~早々と店を出て次は行きつけの店に行ってみると~昨日は大丈夫だったの~すごく飲んでたみたい~どうやらべろべろ状態で深夜に来店したようだ~となると空白が3時間ほどある~他店にも行ってたことになるが~これは不明のまま~
これは危険だと恐怖心を憶えた~こんなものは二度とやらないと破棄したが~これは今も市販されてる「ハイミナール系」の睡眠錠剤のようだ~好奇心もほどほどにしなきゃ~と反省~


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