49)遊びで人を知り~世の中を知る
いつしか勤めの頃と自営との収入格差を知る~毎月車が買える収入があれば遊びしかない~それも勝手知ったる水商売なら~自然と飲み歩きに足が向いて行く~無教育が行動に現れる・これも・なりゆきかも~なんとなく山さんを知り覚えたことが~脳裏をかすめる?
クラブで知り合った人
大阪のクラブは一見さん(初めて)も入れてくれる~飲み歩いてると~あるクラブで話の合う人に出会った~おいらよりも10才年上の加藤さんは気前が良くおごる事が好きだった~2度目に会って飲んでると会社に遊びにおいでと言われ~それでは明日の3時に行きますと返答~

そこは梅田駅前・第3ビル
当時は西日本一の高層ビルだった、広いエレベーターに乗り20なん階の会社のドアーを開くと入口の ショーケースに<ピカピカに光っている鍋セット>が飾りモノのように並べてあった~
販売商品は22万円の鍋セット<テレビCMで見たような~>
社内を見渡すと20数名の女性オペレーターが電話応対をしている~社長室に入り雑談を交わしてると・ア~そのシャツいいね~これと交換しようか・え~いいですよ~と・着ていたシャツを交換した・なんとも気さくな人だ~
下の階に友人がいるんだ~一緒に行こうと言われ~降りて会社のドアーを開くと~ここのショーケースは<金の延べ棒が飾ってある><おいらの目からは偽物に見えた~>ここにはオペレーターが30名ほどいる~社長は博多出身で39歳と若かった~

この会社は金の販売だとか~社長室に何種類かのパンフレットがあった・豪華なパンフレッだ~いかにもブルジョア的に作っている~二人が会話を交わしてる間に~パンフレットに目を通すと
購入者には金の商品は渡さず債権のみを渡す~そして利回りがあるように書いてある~おいらは内心これは詐欺ではと~感じた~
そろそろ出かけようかと駐車場に行くとやはりメルセデス・ベンツだ~車内で二人の会話を聞いていると風俗遊びが尋常ではない~当時TVCMで見た風俗店エデンの特別室を21時頃から翌日の昼まで~次から次へと女性達を呼んでは~飲んだり食ったりで乱痴気遊びをするとか・へ~いくらかかるのだろうか~と思いつつ・世の中にはやはりこんな人達がいるんだ~
巨大詐欺グループの創設者
加藤さんは同じ第3ビルの最上階にある豊田商事の永井会長と知り合いだった~この豊田商事は《金の現物まがい商法》で全国の高齢者 数万人を騙し~被害総額は2000億円 以上の大事件を起こした人だ~
この永井会長は殺害されたが・この事件には裏話があると云われている・安アパートで殺害されたのは良く似た別人で~殺人犯は雇われだった~永井会長はすでに香港に逃亡していたとか~


当局としてもこれ以上に時間をかけるよりも・早く解決に至った方が都合が良い・金銭の裏取引があったと耳にしたことがある~世の中には2,000万円渡せば何でもやるといった人達は結構いる~
それは詐欺商法の誘いだった
天気の良い春先だった一人ぶらりと御堂筋を歩いていると~昔の上司山中さんに出会った・いい話があるんだ・お金になる話だと誘われ・ついて行くと御堂筋通りの某ビル内に入った~
エレベーターが開くと<広めのフロアーは煌びやかな雰囲気だ~>多くの人達で混雑している~あっちこっちに置かれたショーケースにダイヤモンドや宝石類が豪華に飾られている~

これが人気の35万円の商品だと推したが<4~5万円にしか見えなかった>ダイヤモンドはグレードもあり素人目には解らない~だが<おいらは宝石には結構詳しい>誕生石も全部言えた~色・濃度・カットで多少の判別もできる、35万円が売りやすく利益になるんだろう。
山中さん曰く~これは儲かるビジネスなんだと説明するが聞くほどに読めてくる~興味もなく・やる気もない~右も左もこんなのことが流行っているのか~何かしら世の中にガッカリした~
詐欺商法のやり方も解ってきた①有名企業等の類似名を使用 ②会社は見映えが良いところに ③宣伝広告にお金をかける・これらは延々と続いて行くのだろうか~人を騙せば末は寂しい人生が訪れるだろうに~
例え法律違反でもお客さん同意で喜ばれる仕事もある~身勝手な考えかも知れないが<これなら納得できる>そう考えることにしていた~
♪ 人はいつしか必ずや再会の時が来る~その時に笑って会話ができるかどうかである・
50)夜遊びの途中で~
日々繁華街を出歩く時に~まず最初は靴磨きだった、今では道路交通法違反で排除されたが当時は人通りの多い所に~おじさんが折り畳み椅子に座り・靴磨き道具を脇に置き・客待ちをしていた~
15分程の靴磨きで1,000円は結構イイ儲けになる~上手な人とそうでない人もいたが靴の先っぽはピカピカだ~それが終えるといつもの喫茶アメリカンで親友の健ちゃんと時間を過ごす、喫茶店も繫盛していた~今の時代よりも優雅だったような気がする~
相合橋の自営業
夜~飲みに行く途中に<道頓堀川の相合橋>を渡る時がある~この相合橋はその昔に遊郭があった由縁で、男女で渡ると《縁が切れる・縁切り橋》ともいわれていたようだ~この相合橋の中ほどでいつも物乞いをしている夫婦がいた~


服装を乞食スタイルにまとい・春夏秋冬いつも座っている~雨や悪天候で人通りが少ない時は早じまいをする時もあった~ご主人だけの時もあれば奥さんの時・夫婦一緒の時~ある時は幼子を抱いていたが~いつしか小学生~中学生に成長していた~家業のようだ~<これも水商売>
この夫婦は20年以上やっていたような気がする~夕暮れ近くになると薄い座布団の上に座り頭を45度に下げたままジ~としている~目は閉じていないよう~
出勤前のホステスやお客さんが小銭を入れて行く~30cm程の箱の中には最初から小銭がパラパラと入れてあったりもする・21時を過ぎれば酔客が小銭を投げ入れる~中には千円札もあるが二枚までで三枚以上は懐に入れる~作戦もあるようだ・ホステスの中には毎日小銭を入れる<常連さん>もいた~
やはり12月は稼ぎ時のようだった一万円札が入ってるのを見たことがある~おいらもたまに小銭を置いて行くのだが・ある夜に千円を置いてみた~するとわずかに頭を下げてくれた~なるほど《人には頭を下げないがお金には頭を下げる》これは武士の商法にもある~
稼業は繁盛していた~


幾年か過ぎた頃に噂が流れてきた~実はあの人たちはお金持ちなんだよ~家も石切神社の上の方で一軒家に住んでるんだって~
そうなのか~長年勤めてお金を積み上げ残したんだ~沢山の人達を観察してきたんだろうな~どんな人が恵みを置いて行くか否かの判別もできたんだろう~幼児の時から小学生の頃まで時々座らせたのはお金の大切さを教えてたのだろうか?
そうこうして~うわさが流れ始めてから~いつしか姿を見せなくなった~家業は辞めたようだ<みんなが知らないほどの高収入だったのかもしれない>
51)後ろめたさを感じていた
デートクラブを始めて4ヶ月が過ぎた頃(新規参入したいのですが・いいですか)の問い合わせがあったとか~良いも悪いもおいらに権限はないので<どうぞを指示した>それが半年過ぎると10軒ほどになり~それが瞬く間に全国に広まっていった~名称もホテトルになり週刊誌の記事ネタで掲載され始めた~

ホテトルの大繁盛
知り合いの広告屋が某スポーツ紙の編集長と会ってくれというので・取材を受けると~これが記事になり・料金から遊び方までも~宣伝効果抜群だ~大流行りだ~赤信号・皆で渡れば怖くない<人が遊んでるのなら~じゃ俺も遊ぼう>これが日本的感覚なのか~
水商売上りが始めたので親切丁寧な指導が安心感をもたらしのだろうか~又小資金でスタート出来るとあって・やる人は増える一方~電話ボックスの中は花が咲いたように賑やかだ~
そんな時期に他店から連絡が入った~このままでは整理がつかないので組合を作ろうという<某大手ホテルの広間で会合があります>あなたに組合長に推薦したいと<答えは簡単だった>そちらで決めて下さいと回答した、当初からこれで喰って行くつもりはない<それでなくとも後ろめたさを感じていた~>
一年半も過ぎれば30軒以上に増えて電話ボックス内はゴミ捨て場のよう・こりゃ~ダメだやってられない・辞めよう~借金の返済と好奇心から始め~2年もやれればいいかな~だった~


この間に色んなことを経験できた~森繁久彌の映画(社長漫遊記)の芸者と温泉旅行を思い出し~やってみようとクラブの売れっ子を誘い白浜温泉や大分の城下カレイが美味しいというので連れだって行ったり~この遊びの原点は・やはり山さんとの出会いが影響したのかな~と思いつつ~
52)アメリカへ行ってみよう
さあ~肩の荷が下りた~
次は~何をしようか~そろそろ休憩の時期かな~相棒二人を連れて外国旅行でも~アメリカに行ってみようか~ツアー旅行ではなく・レンタカーを借りて一ヶ月ほど西海岸を縦断すれば~良い経験になりそうだ <ヨ~シ決めた・そうしよう>


アメリカ西海岸旅行
相棒二人にアメリカ行きを伝えると返ってきた言葉は・英語はどうするんですか、だった?ああ~そんなことは気にしなくてもいいんだ~人間同士はなにかと伝わるもんだよと・パスポートと国際免許の取得を頼んでおいた~
それではスケジュールを検討しよう・何冊かの旅行雑誌を読みあさりながらアメリカの地図とにらめっこ・レンタカーは空港にある・ホテルが問題だ~あった~ホリディインホテルはアメリカ各地にある・チケットを買えば~行く先々で予約をすればいい~これは便利だ~
おまけに宿泊費は割引き~意外と簡単なんだ・部屋は三人同室になるが問題ない~この時の1ドルは225円だった・決まったぞ~一週間後に行こう~
犯人は昭和の鼠小僧
出発予定日の2日前の夕刻だった~何かと便利だろうと黒門市場の近くに借りていたマンションに戻ると、数人が集まり何やらざわついている~おばちゃんが一言<あんたここに住んでるんでしょ泥棒が入ったみたいよ>えっ~まさか・慌てて部屋に入るとベランダの窓が開いている、机の引き出しに入れていた~封筒が無くなっている~旅行費用の62万円が消えた~盗まれたんだ~


この泥棒は昭和のねずみ小僧と名称づけられていた~前職はとび職人で手口は屋上から縄を降ろし上階から下へと順番に降りてはベランダの窓から侵入する~被害届を出しても戻ることはないだろう~泣き寝入りしかないのか・ガックリ・


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