11)初めてのバイト
家業を手伝うようになったの~お姉ちゃんが亡くなってからだった~トラックで運んできた合金や鉄の積み荷を下ろした際に散乱する金属片の整理をする~次の荷降ろしの場をつくるように~指示された~
現場の人はこの作業は義父がやってると思っていた~まさか小4の子供がこんな重いモノを整理してるとは思わない<60kg以上~重い物はテコの原理を利用した>義父は手を汚さない人だった~


僕はお小遣いを貰ったことがない<誕生日のお祝いも知らない>欲しいモノはあったが~みんなが持ってるモノを持っていない~学校ではみんなの話を黙って聴いていた<買うにはお金がいる>納豆売りや新聞配達をやればお金が貰えると同級生が教えてくれた~それではと納豆の販売所に面接に行った(この時は新聞配達の募集がなかった)
おきゅうと&納豆売り
小さな台を首から担ぎ~博多名物のおきゅうとと納豆を売る~ 精一杯に声を張り上げ<おきゅうとに納豆~>を連呼した~二日目は全部売れた~と言うより僕んちはその時9人が食事を摂っていた~義兄(義父の息子)がおかずに食べようと20個中・14個の売れ残りを食べて完売になった~
だが喜び勇んで販売所に戻る途中に中学生二人に呼び止められ売り上げを<盗られてしまった>どのように盗られたのか気付かなかったが<傍にいた男の子が教えてくれた・お兄ちゃんが持って行ったよ>販売所の人には<もう来なくてイイと言われた>
大家族だった
お母ちゃんは僕を可愛がる余裕はなかった~小4の時に一人目の弟~その後三年毎に二人・三人と弟が出来た~又、義父の前妻の息子三人がいた(長男は明治大学・次男は福岡の西南学院大学)三男はフリーだった~
家には9~12人が<僕だけをかまう訳にはいかない~これは自覚できている>おまけにみんな男だ~力仕事で汚れた洗濯物は毎日手洗い<掃除・食事の用意も一人でやる>休む暇もなく働きずくめの日々だ~
お母ちゃんはお金も自由にならなかった<義父がお金を管理する>この頃には酒屋・肉屋・米屋とかは配達をしてくれて~ツケ払いになっていた<大家族で消費量が多い>
僕は弟の子守をするのだが・一人が育てば次の赤ん坊だ~ある日に疲れて昼寝をしてると~義父に何をやってるんだと~蹴とばされて昼寝もできない~家業の手伝いと子守りで遊びに行く暇もない<子供にとってこれが一番辛い>
お母ちゃんは覚悟をしていた
小6の時にお母ちゃんがおいでと二階の部屋に連れて行かれた<右手に持っていた紙包みを脇に置いて・お母ちゃんは言った>ここに居てもこの先希望が持てない<一緒に死のう>僕を刺して・そしてお母ちゃんも死ぬから~お母ちゃんは嘘をつかない人だ~お母ちゃんと一緒なら死んでもイイとも思った<どうする?>と聞かれ~


考えることもなく<すぐに返答できた>せっかく生まれて来たんだからもっと人間やりたい・だった~ここで死ねば<今まで耐えたことが無駄になってしまう>犬死だ~そんな思いがした~生きなきゃ~
次の日に学校から帰るとお母ちゃんは掃除をしていた~その表情はハツラツとほくそ笑んでいた~こんな顔を見たことがない~嬉しそうだ~僕も嬉しかった~
<お母ちゃんは気が晴れたようだ~僕に生きる希望があると知って吹っ切れたのだ~良かった!>
12)お母ちゃんありがとう
梅雨時だった~学校帰りの時に一緒に帰ろうよ~と女子の声が聞こえた~振り向くと男子1と女子3人がいた~僕は学校でも喋ることはない<日常の恐怖心でそんな余裕もなかった>だが初めて声をかけられて~嬉し恥ずかしい思いがした~
200メートルほど歩いた時だった~いきなり男の子が声高に<こいつの靴破れてるぞ~こいつの靴破れてる>と僕の靴を指差しながら~ほら見ろ~見ろ~と面白がって何度も叫ぶ~この時に生まれて初めて怒りを憶えた~血が登った~気がつけば男の子をぶん殴っていた~
家に帰って一時間も経たなかった<男の子を連れて母親が血相変えて入って来た>転んで手に擦り傷ができた~どうしてくれるの~
突然のことでしどろもどろに対応するお母ちゃんは正座でひたすらに謝り続ける<ごめんなさい~ごめんなさい~申し訳ございません>と~同じ言葉を何度も何度も繰り返す~他の言葉は一切なかった<ただ謝るのみ>
その姿を見て~僕も同じように頭をもたげて座った<20分位が経過して>帰って行っってくれた~
どうしてそんなことをしたの?<お母ちゃんに聞かれ>皆の前で破れた靴を笑いものにされたんだ~我慢ができなかった~と答えた~叱られることはなかった~
その二日後の朝~学校へ行こうと玄関を見ると<真新しい靴が置いてあった>それは光り輝いて眩しく目に映った~

・・お母ちゃん・有難う・・
今でも おいらの靴は長持ちをする<この時に考えたんだ>どのように歩けば靴が傷まないかと~結果・おいらの歩き方はスマートなんだ~
13)小6の夏休み~此処は天国だ~
夏休みが来た:お母ちゃんに連れられてお母ちゃんのお兄さんの所へ行くことになった~山口県の小野田市だという~家に居ればいつも肩身の狭い思いで過ごしてる僕を察してくれたのだ~


蒸気機関車だ~動き始める時にシュッシュッと下から水蒸気を排出しながら汽笛を鳴らす~ゴトンゴトンと音とともに動き出した~やがて列車の窓から田畑や山々の景色が見えては遠ざかってゆく~去りゆく風景に首を左右に振る~
夏だし風を仰ぎたいと窓を開けると~石炭を燃焼した煙とともに粉塵のカスが眼の中に入ってきた~目が痛いので指でこすると眼中に入った粉塵つぶで又痛くなった~そうこうしているうちに関門海峡の海底トンネルだ~通過中にはひんやりとする~
小野田駅に着いた
バスで30分ほどだった~山間のデコボコ道を下り~藁葺き屋根の農家に着いた~そこにはおじいちゃん・おばあちゃん・おじさん・おばさん・年上の男子二人、年下の男子三人と女子一人の大家族だった~



小さな山の中腹にある家から田園風景がパノラマのように一望できた~山があり・湖もある~牛がいる~ヤギがいる~鶏もいた~

おじさんは放任主義だった~危険な遊びの注意だけ~あとはほったらかし~いつもと真逆で自由奔放~天国みたいだ~僕はすぐにいとこが大好きになった~
毎日~セミがミンミン・ワシーワシー・ジ~ジ~と三重奏の如く歌いだす~山にはカブトムシ・クワガタ・綺麗な模様をしたカミキリムシがいる~小川には鮒・ウナギ・カエル・ザリガニ・ゲンゴロウと何でもいる~みんなで魚とり遊びにハシャギ廻って楽しくてしょうがない~くたくたになるまで湖や川で遊び<泳ぎも将棋も覚えた)


遊び疲れて草むらに寝ころび空を見上げれば~視界に拡がる青空に太陽がサンサンと眩しく眼がが痛いほどに輝いている~ここでの夏休みは正夢だ~<これは中学三年まで続いた>不憫な生活があったからこそ~楽しみも喜びも何倍にも膨れて感じ取れた~
14)子供の喧嘩は必死のパッチ
ある日:校庭で全校生徒の朝礼中に今までに感じた事のない視線を感じた<僕を睨みつけてる>憎しみがこもった視線で睨み続けてる<知らない同学年の生徒のようだ>朝礼が終えるとそのことはすぐに忘れていた~ところが後日に廊下を歩いていると待ち伏せをしていた・睨みつけている~
何なんだろう<話をしたこともないのに>気にしないことにしたが~何度か会うと・なんと憎たらしいやつなんだと感じてきた~
6度目だった~階段を上がると待っていたようだ<周りには誰もいなかった>いきなり拳を握って殴りかかってきた~アッと~思った瞬間に反撃に転じた~
バタバタッと殴り合い取っ組み合う~上に成ったり下に成ったりで必死のパッチだ~上になり殴ろうとした時に~ジリリーンとけたたましい音が鳴り響いた~始業のベルだ~即座に止めて教室に戻った~
教室に戻った時にはもう頭にはなかった~<何故だかその後に二度と顔を合わすことはなかった>生涯これ以上に憎たらしいと思えた人に出会ったことがない~多分この時に卒業させて貰えたんだろう~
道路の水撒きはやけのやんぱちだ~
義父は何かと雑用を命じる<家の前の道路は車が通るとほこりが舞う>脇に流れる小川の水を<5リットルは入る長い柄のついた桶>で水撒きをやる~終えると又一からやり直しをさせる~これは結構重い~
これをやると力が強くなれるんだ~と言い聞かせ~やけくそになって撒いた~範囲も30メートル~やめろと言われるまでやったこともある<それでも日曜日だけは自由だった>アッハハ!<家族がいる時には命令はなかった>
15)自分を褒めてやりたい
12月の冬休み前から夕刊の新聞配達を始めることにした~一日80円でもひと月働けば2400円<一月後に初めてお金を貰った>使い道は決まっていた~以前から写真屋さんの前を通る度にじっとショーウインドウを覗いていたんだ<僕は自分の写真を持っていない>一枚でいいから写真が欲しかった~
いつも覗いて料金は知っている~一番小さい白黒3.5X4.6cm=400円
写真屋さんのドアーを開き<小さな声で写真を撮って下さいとおじさんに言った>恥ずかしさと嬉しさ混じりの表情で~
おじさんは写真を撮る時にハイ笑って~笑ってと言ったのでつい笑顔になった~この一枚の写真だけは宝物~何度も引っ越したが~手放すことはなかった~<苦しい時の想い出だ~>


新聞配達を終えて
夕刊配達の帰り道だった~点々とする民家を歩いていると音楽が聞こえてきた~窓越しからそっと覗いてみると何本ものろうそくが灯っている中<赤と白の服を着たおじさんと同年代の子供達が讃美歌を口ずさんでいる>あ~今日はクリスマスなんだ~背伸びをしてジッと眺めた<僕とは縁のない世界なんだ>冬空を眺めながら~寂しい思いで帰った~
~心の行き場所を探そう~

自分の世界を~そうだ魚釣りに行こう~毎月のお金で釣り道具を買い揃えていった<とにかく家に居たくない>恐い視線から逃れたい~脳裏にはこの一心だけだった《将来の夢を考えることなど~ひとかけらも持てなかった》
バイト5か月が過ぎて~釣り道具も買い揃った<これで遠くへと行けるぞ~>待ちに待った日曜日だ~早起きして朝食も取らずに前日に買って置いた釣り餌と道具を背負って出かけた<嬉しくてたまらない~>
朝一番のバスに乗って港に着いた、お店で自分のお金で買ったあんパンを口に入れた~おいしい~そして防波堤に着き~針に餌をさして海中に投げ入れた~


なんという解放感だ~生きた心地がする<みんな忘れられる~全て忘れられる>自分だけの時間だ~嬉しいな~楽しいな~海と波と船が~幸せだ~最高の気分を味わえた<帰りに食堂に寄ってうどんを食べた>
16)中学生になった
カバンを片手に真新しいつめ入りの学生服を着て中学校に行く~近隣小学校と併合になったのでクラス数13組:同学年の生徒は700名もいる~僕は一年2組:男子53名~今とは大違いの生徒数だ~

中学生になっても勉強はしなかった<お前みたいな奴は勉強するな・義父の怒鳴り声が耳にこびりついてる>もう一つは勉強机もない。
運動能力は上位だった~足が速く反復横飛びは楽にやっても一番だ~駅伝や水泳大会には選手として選ばれたが<水泳大会で忘れられない失敗を思い出す>平泳ぎ50メートルの時に皆を驚かしてやろう~前半25メートルを潜ったままゆこう~


スタート合図とともに飛び込んだ~潜って15mほど過ぎたところでざわめきの声が水中迄聞こえた~よし~このまま潜って行こう<まだまだ余裕があるぞ>25m迄にはあと二漕ぎくらいかな~と~思い切り漕いだときに『ガツン』と脳天に激痛が走った~漕いだ瞬間にコンクリートの壁に頭をぶっつけた~
復路は痛さに耐えられず・まともに泳げなかった~楽勝のはずが~3番になった~どこか間が抜けてる~
家業の手伝いで
コークス(燃料材料)作りの仕事を始めたのはいいが・僕がやるようになった・モーターでベルトを廻し大型の餅つき機械の様なものでガッシャン・ガッシャンと近所迷惑になる・大きな騒音だ~
学校から帰って毎日だ~粉にした粉塵は黒くて体に付着したり息苦しくなるので口にタオルを巻いてやっていた、こんな日が半年続いたが利益が薄いのか・騒音のせいかで辞めることになった・助かった・
隣に家が建った~
誰か引っ越してきた~銀行の支店長さんらしい~家との間を3mX6mの庭にしたようで壁が無く犬小屋があった~紐 に繋がれた番犬の(ジョン)がいる~ジョンはおとなしい性格で吠えることもなく番犬には向かない~食事は与えられるがいつも繋がれたままで<寂しそうな表情>をしている~ある日・ジョンの紐 をはずして外に連れ出した~


近くの空き地に行って一緒に走り廻った<ジョンは喜び勇んでハシャギまくっている>こんな経験がなかったのだろう~それからは時々紐を外して一緒に遊んでやることにした<いつの間にかジョンの尊主は僕になっていた>
犬の尊主は一人だけだ~<4人家族でも一人に決める>尊主に優しい人は味方になり~そうでない人は敵になる~
あるスナックのママがこんなことを言ってた<うちの犬はね~主人に吠えるのよ>これはご主人とママが親密でないことを意味する(気の強いしっかり犬は尊主を守ろうと敵に吠えるのだ)犬は正直だ~
17)屠畜場(とちくじょう)ができた
すぐ近くに<と畜場とが建てられた>牛・豚・時々馬が~それらを殺処分して食肉加工するところだ~仕事が始まり出して~時々夜中に豚の泣き声が聞こえるときがあった~
ある日曜日にこっそりと見に行った<木材の格子枠が8ヶ所・下はセメント>各枠内に豚が3~5頭がいる~処分する時は豚が通れる2mほどのトンネルへ追いやり~出口で待ち受けた処分係が<尖った重いハンマー>を豚のこめかみに振り落とす~一撃だ~
一瞬でバタッと倒れるが~的を外せば暴れまくり~必死にもがき叫ぶ<これは悲惨だ~


と殺現場を何度か見に行った~牛はおとなしい性格で人に逆らわない<涙を流しながら死を待つ>人が首輪を持っているのでじっとしている<的を外すことがない>一撃で決まる~体重が重いのでドサッと大きな音と供に倒れた~
牛は古来から~農作業や運搬のけん引として働き~雌牛は乳牛・牛糞は乾燥させて家壁や燃料にもなる~そして食用にされる<何と言っていいのか言葉にできない>ヒンズー教は牛を神様として崇拝する~
<馬は敏感だ~恐怖心を取り除くために<目隠しをして>一撃を加える>
彼らはこの場で殺処分されることを知っている<目前で処分される仲間を見~匂いで解る>豚が夜に泣き叫んでいたのは察知していたからだ~現在はどのように処分されるかは知らない~
近所の子供は恐がって誰も行かなかった~<何がどうなってるのか~見たかった>
ある日同級生に声をかけられた~
近くにお金になるところがあるから行こう~着いた所は僕んちだった~塀の壁板の下を掘って穴を作っている<手を伸ばせば金属片が取れた>彼の期待を裏切りたくないので一緒に手伝ってあげた~その後はブロックを重ねて修正をしといた~
二年生になって
好奇心で行動範囲が広がった<日曜日に博多駅周辺の商店街を歩いた>食堂・洋服店・居酒屋と目新しい、キョロキョロしてると一枚の張り紙を見つけた<スズメ・食用ガエルを買います>と書いてある~

この時代の焼き鳥はスズメだった<今と違って丸々と太って3倍位の大きさはある>ふと右下を見ると10数匹の生きた食用ガエルを網の中に囲っていた・へえ~こんなところがあるんだ~おもしろいな~<お店の中は満席だった>
梅雨時だった~友達が<夕方に食用ガエルが鳴いてうるさいんだ>と言うので場所を聞くと近くだ~じゃ~今度行って見よう~
18)サバイバル・ジャングル
7月の夏休みに入り~日差しの強い日だった~家から300mほどの100m X100mの広い敷地は放置状態で大きな木や雑草が生い茂り~まるでジャングルのような~周囲は金網で囲まれている~まずは一周して見よう~
敷地内の三階建ては幽霊屋敷みたい~ビッシリと蔦で覆われている~誰も住んでいないようだ~


ひと回りすると南角に誰かが金網を破っている<人が入れる大きさだ>周りを見ると誰もいない~思い切って中に入ってみよう<怖いな~怖いぞ~と思いつつ>後戻りしたくない~
恐る恐ると金網をくぐり抜けると~そこは未知の世界のように草むらだらけで~2メートルほど進むが人が通った痕跡はない~茂った雑草に塞がれて前に進めない~
ちょっと待てよ~ここは蛇がいるはずだ<蛇は大の苦手だ怖い>あの形状が受け入れられないのだ~そばに落ちてた大木の枝を持った~雑草をかき分けて進もう~蛇がいたらこれで叩けばいい~
ガシャ~ガシャ~バタバタと恐さを感じながら険しく音を立てて一歩一歩と進んだ<何かが出てきそうだ~>意味不明な声を発した~ギャー~ゴー~バーと喚きながら10メートル進むと<イタ~蛇だ~>大きな草の上で寝そべってる~棒で思いきり叩くと下に落ちて逃げていった<鳥肌がたった>


こりゃ~まだまだいるぞ~草花の周辺には蝶が飛び交う~あっちこっちにクモの巣やら色々な虫がいる~スゴイな~何でもいるんだ~進もう~右を向くとア~又蛇だ~とぐろを巻いてジッとしている~棒で叩くと又逃げて行った~蛇も大変だ~突然侵入して来た天敵に平和を乱されて大迷惑だ~諦めてチョーダイ~
30mほど進むと25mプールほどの広い池があった~楕円形の池には水草が生えてる・深さは浅かった・数匹のカエルが危険を察知して池の淵からチャポン・チャポンと飛び込んでゆく~水面にはメダカにアメンボ・ゲンゴロウ・鮒にザリガニと<アッ~タイワンドジョウだ>デカイ40cmはある~


ヨ~シ上から両手で鷲づかみしてみよう~イケるかもと~裸足になって<静かに池の中に入る>両手を伸ばし・いちにのさん・全力で掴んだ~が、バッシャ・バッシャと瞬時に逃げられた~何って力なんだ~魚にこんな強い力があるとは・驚いた~


ここはジャングルだ~何でもいるぞ~面白い遊び場になりそうだと思いつつ~淵を見ると<お目当ての食用ガエルがジッ~としていた>
次の日曜日に友達5人と遊びに行った~ザリガニ釣りは一匹の皮を剥いてタコ糸にくくりつければ面白いように釣れる~カエル釣りはザリガニの身を小さく切ってタコ糸にくくり・目の前で動かせば虫だと勘違いをしてパクリと飛びついてくる~口を閉じて咥えたままだ~


火遊びの好きな子がいた~蛇を捕まえて枯草で焼いていた~なんと~その匂いはウナギのかば焼きと同じ匂いだった~
蛇とカエルが正面でにらみ合ってる”瞬間”を見た~蛇が咥えにかかろうとした寸前に<カエルが先に飛び跳ねた>一瞬だった~カエルは助かった~
それでは食用ガエルを捕えよう~もの音を立てれば池の中に飛び込む~池の真ん中は深さ60㎝くらいで泥沼のようだ<カエルが潜ると~泥がふっくらと盛り上がる>そうか~ここを掴めば捕えられるんだ~ふくれた箇所を両手で掴んだ~捕れた~丸々と太ってる~良く見ると可愛らしい顔をしていた~
あの~入口に食用ガエル買いますと書いてあるので持ってきました~あ~イイよ~と店長さんが計器に乗せた~¥480を貰った~スゴイ~労働者の日当が¥250の時代だ~大人の一日の賃金よりも多い~やった~¥480を握りしめてルンルン気分で帰った~
一番多い日は¥1410だった<高収入だ~>
次の夏は宅地整備されていた~楽しかったジャングルは思い出の場所となり~そして消えた~
19)初めての知能テスト
中学二年の時:知能テストがあった~難しいのかな~と思ったが<学力テストよりも簡単だった>先生の初め~のひと声からスタート~単純な問題から徐々に難解になってゆく<先生が順番通りでなくとも良いと言ってたようだが~>
迷い道みたいのがあった<始めはスーと出来たが徐々にひかかってゆく>これは出口からやればひっかからないんだと気付く<この時に先生の順番通りの意味を理解する>じゃ~最後尾からやろう~
すると~なんてことはない<全部をやってのけた>図形計算も少しやって~難儀な最後尾からやる~これなら次々に簡単になってゆく~無我夢中のうちに終わった~
一週間後に先生が僕だけを職員室に行くようにと~何だろ~叱られることでもあるのだろうか~不安げに職員室に入ると10人の生徒が集まっていた~校長先生が<君達の知能テストは優秀だった>君たちは勉強をしなさい~勉強をすれば出来るのだから<特にこの三名は特に優秀だ~>と僕の名前も挙がった~
ここには学力テストの上位生徒がいなかった~どの顔も家庭環境には恵まれていないように感じた~僕のテストが良かったのは家庭内の緊張感があったからなのか~と思えた、僕の学業成績はいつも中の上だ~もし中の下になったら勉強しようかな~と~この程度しか考えていなかった<三年生の時も同様に呼ばれたが半数が入れ替わっていた>
家出を決意する
中三の夏休みが過ぎた頃~長年の心の蓄積が行動を起こさせた~日曜日の夜に事務所の机に座り<それまでに見て覚えた小切手の作りかた>を真似て金一万円也を作成し裏書もした<子供の換金で大丈夫だろうか>と不安はあったが無事換金できた(この時代~子供が銀行に行くことはない)


お母さんの妹さんが居る和歌山の九度山に行き~そこから大阪に行こう~
翌朝に汽車で九度山に向かった~紀ノ川が流れて風光明媚なところだ<お母さんに連れられて来たことがある>おじさんは出張で居なかった~早速新聞を拡げて見ると求人募集は二面以上も掲載されていた。
子供が住み込みで働く所は小さな町工場か食べ物屋さんかな~とりあえず明日の昼過ぎに行こう
翌日~出かける寸前にお母さんが来た~今考えるとスゴイ心配をかけたのだと解る<自分のことで精一杯だった>お母さんは何も言わなかった~
もし一時間ズレていたらどうなっていただろう~・想像もできない・親からは消息不明となり~まったく異なった人生の世界を見ただろう~
20)専門学校に入学する
長男のお嫁さんが来ることになり<ホッとした>長男は明治大学を卒業後に帰郷して半年になる~お嫁さんが来れば義父の暴力はなくなるかも~そう感じた~親父は長男の受験には勉強しろ~勉強しろと叱っていたが~僕には勉強はするなと・怒鳴りつけた~えらい違いだ~
そろそろ高校受験になる<お母さんは親父に>高校だけは行かせてくださいと頼んでいた~とりあえず工業高校でも受けようか~この時の担任は自信満々に豪語してた~任せとけ!この学校は後輩がいるから全員が合格するようにしてやる~
そんなんで受かるんだろうか~<結果は全員が不合格になった>裏目に出たようだ~先生の方がショックだったろうな~
僕はどこでもよかった~友人が二年制の専門学校に行くとかで<じゃ~僕もそこにしよう>三年通学よりも楽でイイや~電気系専門学校に行くことにした<この学校は後に福岡工業大学を設立~大阪市長の松井さんが卒業生になった>
専門学校は博多駅から列車で5駅目の筑前新宮駅~家から片道一時間ほど<勉強は相変わらずやらない>稼業は義兄・従業員とか7人でやるようになり~手伝いは減っていた~
この数年に家庭内で変化があった~次男も結婚し120坪の倉庫兼自宅を建てた~中央区清川に200坪超えの土地を買い駐車場に~風呂屋を開業~そして春吉に二軒のラブホテルを開業した~長男の嫁の兄弟二人も面倒を見ることになり~兄は大学へ弟はホテルの管理役に充てられた~僕よりも待遇が良い~
専門学校の冬休みにバイトを探した~川端通りの肉屋に募集の張り紙があったので雇ってもらった~店内の販売手伝いと中洲の有名レストランに牛・豚・鶏肉を配達に行った~ある日洋食レストランに牛肉を持って行くと料理長に叱られた~


こんな色の悪い肉を持ってきたのか~ましなモノを持って来い~と返された!持ち帰ると肉屋の若大将も怒った~どんな目をしてるんだ<それじゃ~この肉を持って行ってくれ>馬肉だった~料理長に差し出すと~最初からこれを持ってくれば良いのに~<この時のお客さんは固い肉を食べさせられたことになる>どっちもどっちだ~!
子供の感覚は敏感だ~お客さんに100gチョウダイといわれ~10回ほどで手の平と指先で重さを感じ取れて100gを出せた~が~200gは難しく察知までに3倍の時間はかかった~
この時代はバイト先も少なく~バイト学生はほとんどいなかった!2年生の時~バイト収入を手に同級生二人を誘い中洲のバーに入った~何を飲んでいいのか解らず~とりあえず一番強い酒を下さいと注文するとアブサンを出されたので一気に飲んだ~😋他の酒も飲んで三人ともふらつきながら帰った~アハハ!
